2012年7月29日日曜日

太宰治全集 八雲書店版

古い本は好きだが、どうぞ御自由に持って行って下さい、と言われても二の足を踏むくらいのボロさ加減だ。背表紙なぞ、崩れる一歩手前。近所の図書館の「ご自由に」のコーナーに一冊だけ置かれていた。本当に持って帰るのか。
太宰の大ファンというわけではないが、この第四巻に収録の「おしゃれ童子」と「畜犬談」は大好きな話だ。裏の見返しを見ると初版みたい。調べてみると太宰の生前に刊行が始まったものの途中で八雲書店が倒産して未完に終わったそうだ。表紙には津島の家紋が型押しされている、という凝ったものだ。
かなりのボロなので値なんか付きそうもないが、何だかお宝を見つけたみたいな気分になった。